個人で事業を始めてみようと思った方は「個人事業主」「フリーランス」、この2つの言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。自分はこれからどちらの呼び名になるのだろう、と実は私も考えたことがありました。
簡単に区別を説明すると、「【開業届】を提出しているか否か」です。こちらではこの2つの違いを見ていこうと思います。
- 「個人事業主」「フリーランス」って何?
- そもそもフリーランスとは
- ちょっと詳しくフリーランス
- そしたら個人事業主とは
- ならフリーランスと個人事業主の違いは?
- 開業届ってなんのこと?
- 開業届を出したら個人事業主?
- 個人事業主になるメリット
- 1.青色申告で特別控除を受けれる
- 2.屋号で銀行口座が作れる
- 3.家族への給与支払いも経費にできる
- 個人事業主のデメリット
- 複式簿記など知識が必要
- 【まとめ】個人事業主(開業届)で節税対策
「個人事業主」「フリーランス」って何?
言葉が2つあるのですが、類語と言えばそうなのですが明確な違いもあります。100%知らなくてはならない内容ではないですが、一応知っておいて良い知識です。
そもそもフリーランスとは
「フリーランス」という言葉は簡単に、個人で事業を営んで事業所得、つまりお金を得ている人のことを言います。「個人事業主」にも同じことが言えますね。
ちょっと詳しくフリーランス
しっかりとかみ砕いて説明しますと、フリーランスは「働き方」を指す言葉で特定の会社や企業(法人など)やその他団体に属さずに個人として業務を行うことです。
会社などに属さずにさまざまなお客さんから業務を請け負うので、一般的なサラリーマンのように会社と直接的な雇用関係を結ばない特徴があります。
そしたら個人事業主とは
先ほどの「働き方」の話ですが、個人事業主も大きなくくりで言えばフリーランスです。個人で企業などに直接雇用契約を結ばずにお仕事を取って働くので、大きな枠では個人事業主もフリーランスになります。
ならフリーランスと個人事業主の違いは?
最初にもちょっと書かせてもらいましたが、大きな違いは「開業届」の提出の有無です。開業届を出すと出さないのとでは大きな違いがあり、それによってたくさんのデメリットがある可能性もあるのです。
開業届ってなんのこと?
開業届は正式名称「個人事業の開業・廃棄等届出書」といい、個人で事業を始めましたよということを税務署に申告するための書類です。手続きは開業して1ヶ月以内に提出することが推奨されていますが、それ以降に出しても特に罰則などはありません。
もしも事業を開始してから1ヶ月を過ぎてしまった方も、今からでも遅くないので開業届を出すとメリットも多くあります。罰則がないってのは安心なのでこの後のメリットなどを見て考えてみてくださいね。
開業届を出したら個人事業主?
はい、開業届を税務署に提出すると税法上「個人事業主」となります。なのでフリーランスとの境は本当に紙一重なのです。
個人でどこにも所属せずに事業を行うのが「フリーランス」で、そこから開業届を税務署に提出すると「個人事業主」に変わります。つまり個人事業主は「個人事業主」でもあり、「フリーランス」でもあります。
ただし、個人事業主でも法人化してしまうと個人事業主ではなくなってしまいます。あくまで開業届を出した個人の事業者なので、法人化すると外れてしまうのです。
個人事業主になるメリット
個人事業主・フリーランスともにサラリーマンとの違いは「収入の安定」だと思います。調子よく仕事が進んでいる時には収入も良く、逆となるともちろん下がってしまうので個人事業主やフリーランスは安定性がありません。(一概には言えませんが…多くの方はそうだと思います。)
そんな方に一番大きなメリットは「確定申告の控除」だと思います。いくつかメリットを見ていきましょう。
1.青色申告で特別控除を受けれる
開業届を出した後に「青色申告承認申請書」を提出することによって、毎年の確定申告の際に青色申告が利用できるようになります。控除額は10万円、55万円、65万円とあり、とっても大きな節税になり得ます。
赤字だとしても最大3年間の繰り越しができるので、その翌年以降黒字に戻せた際にその利益から赤字の損失分を差し引いて確定申告できるのもメリットです。
2.屋号で銀行口座が作れる
個人事業主やフリーランスで事業を行っている方は銀行の振込等で「個人名」を取引先などに教えることになると思います。別に構わないとお考えの方もいると思いますが、個人事業主でも屋号を持って銀行口座を作ると社会的な信用がアップすると言えるでしょう。
3.家族への給与支払いも経費にできる
こちらも1番と同じく節税のメリットとなります。旦那さん・奥さんのような配偶者やお子さんなどと一緒に仕事をして給料を支払うという場合にも経費計上が出来るようになります。
節税という面で考えると、開業届を出してフリーランスから個人事業主へと変わることで大きなメリットとなることは間違いないです!
個人事業主のデメリット
私が思いつく中でデメリットと言えるのは一つでしょうか。加入する保険などは個人事業主のデメリットになり兼ねるのですが、今回はフリーランスと個人事業主のメリット・デメリットなので割愛しますね。
複式簿記など知識が必要
特別控除を受けるためには確定申告の際に「貸借対照表」と「損益計算書」の作成・提出が必須となります。簿記の知識が少しは必要となり、多少なりともそこに費やす仕事が増えてしまいますね。
ただ今は様々なソフトも出ていますし、ネットで調べればひな形が無料ダウンロードできたり、内容もすぐに検索できるので控除額を考えるとそれほど大きなデメリットにはならないかなとも思います。
【まとめ】個人事業主(開業届)で節税対策
いかがだったでしょうか。個人事業主とフリーランスの違いは「開業届」の提出の有無で、メリットとして青色申告の特別控除や家族への給与も経費払いなど節税の面で大きく個人事業主のほうが良い部分が多い気がします。
途中で少し触れた「保険」や「年金」など個人事業主・フリーランスのデメリットの部分を変えられる情報は下から是非ご覧ください。